生薬・漢方薬と医薬品の飲み合わせ(読み)ショウヤクカンポウヤクトイヤクヒンノノミアワセ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 の解説

生薬しょうやく・漢方薬と医薬品の飲み合わせ

 輸入された生薬(植物で薬用になる部分のみを採取したもの)の細辛さいしん木通もくつう防已ぼうい木香もっこうなどの根、根茎に含まれる成分のアリストロキア酸がじん障害をおこすことが、厚生労働省から報告されています。かつてベルギーで、この成分含有の漢方薬(やせ薬)を使用した人に腎機能障害が多発したことがありました。健康食品として摂取する際、これらの植物が含まれていないことを確認するようにしましょう。


 漢方薬では、小柴胡湯しょうさいことうインターフェロン(注射薬)の併用で間質性肺炎や精神症状を、また小柴胡湯甘草かんぞう成分を多く含む漢方薬や降圧利尿剤との併用でカリウム低下症や偽アルドステロン症をおこすことがあります。ほか麻黄まおうを含む漢方薬と気管支拡張剤や交感神経刺激剤の併用で動悸どうき、血圧上昇、頭痛、不眠などの副作用がおこりやすくなります。


〈注意〉


 薬は本来、ひとつひとつの製品が独自の作用や効用をもっているものです。とくに、漢方製剤はこの傾向が強く、同じ製品名の薬であっても、A社の製品とB社の製品では作用や効用が少し違うことがあります。本書でも、巻末青色の頁「薬剤識別コードさくいん」で紹介した適応となる病気と、解説頁の適応となる病気が、必ずしも一致していないのはこのためなのです。解説頁に紹介した以外にも、「薬剤識別コードさくいん」で紹介した適応もあるというようにご理解いただければ幸いです。


 また、ほかの薬でもそうなのですが、漢方製剤はとくに、薬を処方する医師長年経験から割り出した使用法もあり、本書に紹介されていない病気の治療に用いられることがあります。ご不審な点があるときは、医師に相談してください。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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