香肌峡(読み)かはだきょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「香肌峡」の意味・わかりやすい解説

香肌峡
かはだきょう

三重県中西部、櫛田川(くしだがわ)中流峡谷。松阪市(まつさかし)大石(おいし)町から上流へ約40キロメートル続き、香肌峡県立自然公園に指定されている。大石町から松阪市飯高(いいたか)町森(もり)までを香肌峡、ここから分岐する蓮(はちす)川の峡谷を奥香肌峡という。江戸時代には川俣谷(かばただに)とよばれ、また一帯アユや茶など香りの高い産物があることから香肌の名がつけられたといわれる。黒色緑色片岩巨礫(きょれき)が分布し、奇岩、急流、滝などが連続し、冬は霧氷で知られている。松阪駅からバス便がある。

[伊藤達雄]


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改訂新版 世界大百科事典 「香肌峡」の意味・わかりやすい解説

香肌峡 (かはだきょう)

三重県中西部,櫛田川上流一帯の峡谷。最奥地は台高山脈で奈良県に接する。1953年香肌峡県立自然公園に指定された。オニユリシャクナゲ群落,アユやアマゴの釣場,サルカモシカ生息,峡谷の奇岩や瀑布など,自然に恵まれた景勝地で,両岸には河岸段丘が発達している。松阪市の旧飯高町宮前から赤桶(あこう)までは香肌長瀞といわれ,支流の蓮(はちす)川には風折滝,高滝,御所の滝があって蓮峡と呼ばれる。峡谷沿いに和歌山街道(国道166号線)が走る。
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