改訂新版 世界大百科事典 「〓台寺」の意味・わかりやすい解説
台寺 (れんだいじ)
京都市北区にある真言宗智山派の寺。蓮華金宝山と号する。正称は上品(じようぼん)蓮台寺,俗に九品三昧院(くぼんざんまいいん)また十二坊という。京都の葬送地の一つ,船岡山の西の蓮台野にあり,葬送菩提の寺として栄えた。10世紀中ころに寛空が創建した香隆寺の後身で,嵯峨清凉寺の本尊釈迦如来像は,987年(永延1)奝然(ちようねん)が中国から持ち帰ったとき,最初は当寺に安置された。応仁の乱で回禄したが,文禄年間(1592-96)豊臣秀吉の援助で再興。江戸時代には寺領110石,境内塔頭(たつちゆう)12寺を数えた。現在は真言院,宝泉院,大慈院が存する。境内に仏師定朝の墓,真言院に空海の母阿刀(あと)氏の塔と源頼光の塚,大慈院に金工の後藤祐乗と国学者富士谷成章(ふじたになりあきら)・御杖(みつえ)父子の墓がある。寺宝のうち,紙本著色《絵因果経》は国宝。
執筆者:藤井 学
台寺[温泉] (れんだいじ)
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