最新 地学事典 「アイソコン解析法」の解説
アイソコンかいせきほう
アイソコン解析法
isocon analysis
交代作用における物質移動量を原岩とそれに由来する交代変成岩の全岩化学組成から定量的に見積もる方法。交代作用は一般に体積の変化を伴うので,全岩化学組成を単純に比較して物質移動量を見積もることは一般に誤りである。R.L.Gresens(1967)は,岩石の密度と化学組成から反応前後の体積比を推定し,その値を用いて物質移動量を見積もる方法を示した。J.A.Grant(1986)はその方法を改良し,化学組成のデータだけで物質移動量を推定できることを示した。縦軸に交代変成岩の,横軸に原岩の化学組成をとった図をつくる。もし交代作用の際,移動しなかった成分(固定成分)が複数存在すれば,それらの点は原点を通る直線上にのる。この直線をアイソコンと呼ぶ。アイソコンの傾きは反応前後の系全体の質量比を表し,アイソコンよりも上側にプロットされる成分は系に付加され,下側にプロットされる成分は除去されたことを意味する。それらの移動量はアイソコンからの距離によって決定される。このようにアイソコン解析法は交代作用による物質移動を解析する強力な手段であるが,実際の応用においては,アイソコンの決定に曖昧さが残る場合が多い。参考文献:J.A.Grant(1986) Econ.Geol.,Vol.81
執筆者:西山 忠男
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

