アイルランド島(読み)アイルランドとう(その他表記)Ireland

翻訳|Ireland

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アイルランド島」の意味・わかりやすい解説

アイルランド島
アイルランドとう
Ireland

イギリス本島(グレートブリテン島)の西方海上に位置する島。北海道よりやや大きく,面積約 8万4000km2。ヨーロッパ大陸北西部の大陸棚にあり,イギリス本島とは浅いアイリッシュ海によって隔てられている。氷河時代に氷食を受けたため,ゆるやかな波状の起伏をもつ低地が中央部に広がり,海岸にはフィヨルドが発達している。その西岸を暖かい北大西洋海流が洗い,一年中偏西風が吹きつけるので典型的な西岸海洋性気候となっている。夏は涼しく,冬は暖かく,北緯 51°~55°の位置にありながら,沿岸河川は結氷せず,冬でも東京や大阪の平均気温と同程度である。古くはイエルネー(ギリシア語),ヒベルニア(ラテン語)と呼ばれたらしいが,中世にはキリスト教を率先して受け入れ,聖者の島と称されるにいたった。しかし,中世以来植民地化を策するイギリスとの抗争が続き,今日でも政治的にはアイルランドとイギリス領の北アイルランドに分割され,北アイルランドでは 1960~80年代にかけて暴動,衝突が絶えなかった(→北アイルランド紛争)。年中多湿で牧草生育に適するため,全島にわたって草地牧場が広がり,ウシ,ウマ,ヒツジの飼育が盛ん。主要農作物はコムギライムギカラスムギオオムギ,ジャガイモ,サトウダイコンなどである。(→ブリティシュ諸島

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