改訂新版 世界大百科事典 「アオオサムシ」の意味・わかりやすい解説
アオオサムシ
Apotomopterus insulicola
甲虫目オサムシ科の昆虫。日本特産で近畿地方以北の本州に分布し,関東・中部地方から東北地方にかけてふつうに見られる。体と脚は黒色であるが,背面は金緑色の光沢があり,ときには赤銅色。体長25~32mm。夜間,昆虫を含む小動物を捕食するが,とくにミミズを好んで食べる。成虫で越冬し,4月ごろから出現する。春から夏にかけて土中へ産卵。孵化(ふか)した幼虫は成虫と同様に地上を歩き回り,小動物を捕食する。初夏のころ出現した幼虫は夏には土中に潜って蛹化(ようか),次いで成虫となり幼虫期間は短い。10月ごろから越冬のため土中へ潜り込む。本種は北陸・東海地方より近畿地方にかけては色彩や形態に地域による若干の相違が見られ,アカオサムシ(房総半島に分布),ミカワオサムシ(愛知県などに分布),マヤサンオサムシ(富山県,近畿地方北部などに分布),シズオカオサムシ(静岡県東部などに分布)の亜種に分けられている。
執筆者:林 長閑
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報