アクタイオン(読み)あくたいおん(英語表記)Aktaiōn

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アクタイオン」の意味・わかりやすい解説

アクタイオン
あくたいおん
Aktaiōn

ギリシア神話に登場する狩人(かりゅうど)。アポロン神の子アリスタイオスとカドモスの娘アウトノエの子。怪物ケンタウロス一族のケイロンに育てられ、彼から狩りの術を教わった。ある日、アクタイオンはキタイロンの山中で、狩りの最中に50頭の飼い犬に八つ裂きにされて死んだ。その原因は、ゼウスから愛人セメレを奪おうとしたためともいわれるが、多くの説では、彼が処女神アルテミスの入浴中の裸体を目撃してその怒りに触れたためとされている。処女神アルテミスは、泉の水をかけてアクタイオンを鹿(しか)に変え、彼の猟犬たちを扇動してかみつかせた。主人を失った犬たちを慰めるため、ケイロンはアクタイオンの立像をつくった。

[小川正広]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アクタイオン」の意味・わかりやすい解説

アクタイオン
Aktaion

ギリシア神話の英雄。アポロンの息子アリスタイオスとカドモスの娘アウトノエの間に生れ,ケンタウロスケイロンに養育され,狩りの名手となった。あるときキタイロンの山中で,狩りの疲れを癒やそうとして泉に近づいたところ,そこで沐浴していたアルテミス女神の裸身を見てしまい,その罰に鹿に姿を変えられ,自分の連れていた 50頭の猟犬に食い殺された。

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