改訂新版 世界大百科事典 「アセーエフ」の意味・わかりやすい解説
アセーエフ
Nikolai Nikolaevich Aseev
生没年:1889-1963
ソ連邦の詩人。リゴフの保険外交員の家に生まれた。モスクワの未来派グループ〈遠心分離機〉の詩人として,象徴派の影響の下に出発。処女詩集《夜のフルート》(1914)には,フレーブニコフの影響が認められる。国内戦時代はウラジオストクで詩集《爆弾》(1921)を発表。1923年,文学上の師マヤコーフスキーらと共に文学団体〈レフ(芸術左翼戦線)〉に加わった。《セミョン・プロスカコフ》(1928)などの一連の物語詩,詩集がこの時期を代表する。マヤコーフスキーの死後,その後継者として詩的伝記《マヤコーフスキー始まる》(1939)を発表。未来派と雪どけ世代の懸橋的存在となった。ほかにミツキエビチなどの作品の翻訳がある。
執筆者:長谷見 一雄
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