アダムズブリッジ(その他表記)Adam's Bridge

デジタル大辞泉 「アダムズブリッジ」の意味・読み・例文・類語

アダムズ‐ブリッジ(Adam's Bridge)

スリランカ北西部、ポーク海峡を横切る砂州浅瀬の連なり。マンナール島からインドの南東部のパーンバン島に向かって、約30キロメートルにわたって伸びる。水深は浅く、船舶航行は困難。名称は、アダムズピーク山に向かうアダムが渡ったという伝説にちなむ。インドの叙事詩ラーマーヤナに登場することからラーマズブリッジともいう。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アダムズブリッジ」の意味・わかりやすい解説

アダムズブリッジ
Adam's Bridge

スリランカ北西部のマンナール島と,インド南東部のラメスワラムとの間をつなぐ一連の砂州と浅瀬。長さは 48kmをこえ,かつてインドとスリランカが陸続きであったことの地質学的な証拠とみなされている。深いところでも 1m前後の浅瀬で,南のマンナール湾と北のポーク湾とを分け,小型船以外は航行できない。『ラーマーヤナ』のラーマが,スリランカに連れ去られた妻のシーターを救い出すため,サルの助けを得て築いた巨大な道の名残りであるといわれ,またイスラム伝説では,アダムがここを渡り,アダムズピークに到達したとされる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アダムズブリッジ」の意味・わかりやすい解説

アダムズ・ブリッジ
あだむずぶりっじ
Adam's bridge

スリランカ北西部のマンナール島と、インド南東部のパムバン島をつなぐ長さ約30キロメートルの浅瀬。ラーマズ・ブリッジともいう。いくつもの砂州が連なり、水深はきわめて浅い。マンナール、パムバン両島までは鉄道が通じており、海上は鉄道連絡船が航行する。伝説によれば、この浅瀬は、古代インドの叙事詩『ラーマーヤナ』の英雄ラーマが、誘拐された妻シータを救出する軍隊を通すため、猿王(えんおう)ハヌマーンにつくらせた堤道の名残(なごり)であるという。

[貞方 昇]

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世界大百科事典(旧版)内のアダムズブリッジの言及

【ポーク海峡】より

…海峡全体が大陸棚にあるうえ,カーベーリ川,バイガイ川などから大量の土砂が流入して海峡の両側から巨大な砂嘴(さし)がのび,また水深が10mと浅いため大型船舶の航行は不可能である。海峡北部ではインド側からカリメール岬,スリランカ側からペドロ岬が向かい合い,また南部には小島が連鎖してアダムズ・ブリッジAdam’s Bridgeと呼ばれる。インド側の突端にある巡礼地ラーメーシュワラムとスリランカのタライマンナールとの間を約3時間で連絡船が結ぶ。…

※「アダムズブリッジ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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