アナログコンピューター(その他表記)analog computer

翻訳|analog computer

デジタル大辞泉 「アナログコンピューター」の意味・読み・例文・類語

アナログ‐コンピューター(analog computer)

アナログ計算機

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「アナログコンピューター」の意味・わかりやすい解説

アナログコンピューター
analog computer

アナログコンピューターは,現在広く利用されているディジタル技術を核としたディジタルコンピューター普及に先だって,シミュレーターや科学技術計算に広く活用されたアナログ技術を核とした計算機である。

 数値変数を長さ,電圧,回転角などのように連続的は物理量に置き換えて,物理現象の数学的関係を用いて相似的に計算する計算機で,もっとも手近な例として計算尺がある。もっとも広く用いられたアナログコンピューターは数値を電圧などの電気量に置き換えて計算し,解は電気量と時間の関係で示される。また,各演算器が演算増幅器operational amplifierを中心に,たとえば積分器,加算器,掛算器などのように計算内容別に用意されており,与えられた問題(主として微分方程式の解法に適する)に対応させて,これらを接続して計算を行えば求める解が得られる。このとき各演算器はすべて同時に並列して計算が行われるので計算速度がきわめて速い。一方,数値を物理量で相似しているので精度に限界があり,10⁻2~10⁻5程度の誤差混入は免れない。とくに非線形計算や大規模な計算になるほど精度の劣化は大である。これらの欠点を除くためにディジタル技術を導入したり,ディジタルコンピューターを接続してデータ処理性の改善,精度の向上を図ったハイブリッドコンピューターが生まれた。

 アナログコンピューターの用途としては,計算速度が速いためにパラメーターを変えることに対して解の変化を容易にとらえることができるので,自動制御などのダイナミックな系の設計やフライトシミュレーター等各種のシミュレーターに用いられた。現在はいずれもディジタルコンピューターに置き換えられている。しかし,これらの中心となっているアナログコンセプトは現在においても重要な基本的概念として,また,演算増幅器はIC化されアナログ計算機能を実現するために今でも単独で広く用いられている。
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ASCII.jpデジタル用語辞典 「アナログコンピューター」の解説

アナログコンピューター

数値のビット化を行わずに、アナログ量を演算できるコンピューター。演算の並列処理ができるため、処理速度が速いという特長があるが、一般的なパソコンには用いられない。主な用途は、学術研究用のコンピューターや家電製品に組み込まれるファジー回路。

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世界大百科事典(旧版)内のアナログコンピューターの言及

【コンピューター】より

…この場合,ディジタルであることを強調して,ディジタルコンピューターともいう。広義のコンピューターは,アナログ電子回路を利用しておもに数値計算を行うアナログコンピューターを含む。本項は,ディジタルコンピューターに限定して記述する。…

※「アナログコンピューター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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