アマゾナス州(読み)アマゾナス(その他表記)Amazonas

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アマゾナス州」の意味・わかりやすい解説

アマゾナス〔州〕
アマゾナス
Amazonas

ブラジル北西部の州。州都マナウス。北から西にかけてベネズエラコロンビアペルーと国境を接する。同国最大の州で,広大なアマゾン盆地の中心部を占め,アマゾン川本流が西から東へ貫流する。ほぼ全域が標高 100m以下の低地から成るが,ベネズエラとの国境近くにはブラジルの最高峰ネブリナ山 (3014m) がある。年平均気温約 26℃,年降水量 2000mm以上の高温多雨地域で,北端部にわずかにサバナ地帯があるほかは,全域が熱帯雨林の密林におおわれる。広大な面積のわりに人口はきわめて少く,住民はおもにアマゾン本流や大きな支流沿岸に住み,約半分がマナウスに集中。住民の大部分はポルトガル系とインディオ混血で,インディオ集落も点在する。州経済はほぼ全面的に森林資源に依存し,ゴム,ブラジルナッツ,木材,グアラナ (カフェインタンニンを含むアマゾン地方原産のつる性低木) ,植物油,繊維などを産する。これら産品はマナウスあるいはアマゾン河口部の大港湾都市ベレンに送られて加工される。川沿いのバルゼアと呼ばれる肥沃氾濫原ではキャッサバジュートサトウキビ,バナナ,サツマイモなどがおもに自給用に栽培される。比較的標高の高いところでは牧牛も行われるが,住民の蛋白質源はおもに魚類と野生動物。主要交通路は水路で,大型船やカヌーなどによる航行が盛んであるが,大西洋岸とペルー国境を結ぶトランスアマゾン・ハイウェーが通り,マナウスからはベネズエラのカリブ海沿岸へ幹線道路が通じている。面積 156万 7954km2。人口 208万 8682 (1991推計) 。

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