ブラジルナッツ(読み)ぶらじるなっつ(英語表記)Brazil nut

翻訳|Brazil nut

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブラジルナッツ」の意味・わかりやすい解説

ブラジルナッツ
ぶらじるなっつ
Brazil nut
[学] Bertholletia excelsa H. B. K.

サガリバナ科(APG分類:サガリバナ科)の高木。南アメリカのアマゾン地域に生え、樹高40メートル、幹は径0.9~1.8メートルになる。葉は長さ約20センチメートルの長楕円(ちょうだえん)形、先がとがり、短い葉柄がある。花は白色で、小さく花茎に集まって開く。果実は直径10~15センチメートルの球形木質の厚さ約2センチメートルの硬い殻で包まれ、熟すと自然に落下する。殻の中には半月形で長さ5センチメートルの種子が12~24個入っている。種子の外皮は木質で硬く、内部に茶色の薄皮があり、肉質は白く、66%は脂肪、14%はタンパク質である。ブラジルベネズエラ主産地で、原生林から採集して集め、世界各地、とくに欧米に多く輸出される。

[星川清親 2021年3月22日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブラジルナッツ」の意味・わかりやすい解説

ブラジルナッツ
Bertholletia excelsa; Brazil nut tree

フトモモ科の高木で,ギアナ,ベネズエラ,ブラジル北部など南アメリカ北部の熱帯地域原産。果実の核をブラジルナッツと称し,くりのような風味があり,高級なナッツとして生食やあぶって食用とし,また飴やチョコレートなどに混ぜて菓子の原料とする。核の油 (ブラジルナッツ油) はオリーブ油の代用として食用とするほか石鹸原料にもされる。なお,やはりブラジル産の同属の別種 B. nobilisもほぼ同様の用途に供せられる。

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