アメリカフヨウ(読み)あめりかふよう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アメリカフヨウ」の意味・わかりやすい解説

アメリカフヨウ
あめりかふよう
[学] Hibiscus moscheutos L.

アオイ科(APG分類:アオイ科)フヨウ属(ヒビスカス属)の多年草。アメリカのアラバマ地方原産。多年草であるが、春播(ま)きで夏開花する品種もある。耐寒性が強く、露地では冬期に地上部は枯れるが、春には芽吹き、夏には大輪一重(ひとえ)花を開く。花は一日花で、朝に開き夕方に閉じるが、毎日新しい花を開く。花径25~28センチメートルの大輪花をつけるサウザンベルは春播きで8~9月開花する。花色は赤、白、桃、濃桃色などがある。

 繁殖は実生(みしょう)、株分けによる。実生は、2月ごろ播種(はしゅ)床を20~30℃に加温して播種する。株分けは、春、芽吹く前に行う。日当り風通しともによい所でよく育ち、矮化(わいか)剤を施せば鉢栽培もできる。根にネマトーダ線虫)、葉にハマキムシがよくつくので病害虫には注意を要する。

[金子勝巳 2020年4月17日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アメリカフヨウ」の意味・わかりやすい解説

アメリカフヨウ
Hibiscus moscheutos; common rose mallow

別名クサフヨウ。アオイ科の大型多年草で,北アメリカ原産。高さ 1.5m前後になる。長さ約 20cmになる大きな葉は,広披針形鋸歯があり,互生する。花は5弁で,花径は 10cmから最大 30cmほどにもなる。おしべは多数で筒状に合着し,その中心から花柱が突出する。花は白色や桃色,濃桃色,紫紅色などの鮮明な色彩で,一日花であるが,7~9月にかけて次々と切れ目なく開花する。鉢植え用の矮性品種や,一年草として栽培される品種もある。強健で,日常的な手入れはほとんど必要ないが,植えたままにしておくと徐々に株が衰えるため,3年に一度くらい植替えを行う。

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