アラビア海(読み)アラビアかい(英語表記)Arabian Sea

翻訳|Arabian Sea

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アラビア海」の意味・わかりやすい解説

アラビア海
アラビアかい
Arabian Sea

アジア大陸の南西に位置するインド洋の付属海。東にインド,西にアラビア半島を控え,インド南端のコモリン岬とアフリカ北東端のアシール岬との間は約 3000km。西北部にはペルシア湾支湾を形成するオマーン湾,西南部には紅海の一部に属するアデン湾が入込む。平均深度は 2734m,最高深度はアラビア海盆の 5875m。アフリカ東端の東北方のソコトラ島から南東方向に延びているカールスバーグ海嶺によって2つの海盆に分けられる。インダス河口沖で深海の海底谷が発見されている。大陸棚斜面上には砕屑性堆積物が,2500m以深にはグロビゲリナ軟泥が,3600m以深には赤粘土が分布している。東部のインド西岸沖合いにはラッカディブ諸島,西部のアラビア半島東岸の沿岸にクリアムリア諸島が浮ぶ。主要港湾都市はインドのムンバイ (ボンベイ) ,同南西岸にあるコーチンパキスタンカラチなどである。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アラビア海」の意味・わかりやすい解説

アラビア海
あらびあかい
Arabian Sea

インド洋の北西部を占めるその付属海。北はイラン、パキスタンのマクラーン海岸、東はインド半島、西はアラビア半島、ソマリア半島によってそれぞれ限られ、北西はオマーン湾を経てペルシア湾へ、西はアデン湾を経て紅海へとつながる。中央部で深度は4500メートルを超え、表層塩分は高く36.5を示す。毎年6月から9月までは南西季節風が、10月から翌年5月にかけては北東季節風が吹き、海流もそれに影響されて季節的に方向が逆転する。古来、季節風を用いた帆船往来が盛んであったが、近年はペルシア湾に出入りするオイルタンカーの通過路となっている。島はソコトラ島などごくわずかに限られる。インドおよびパキスタン沿岸にムンバイ(ボンベイ)、カラチなどの港がある。

[末尾至行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例