アルニカ(読み)あるにか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルニカ」の意味・わかりやすい解説

アルニカ
あるにか
[学] Arnica montana L.

キク科(APG分類:キク科)の多年草。大きな根生葉はロゼット状をなし、茎は高さ20~30センチメートルで直立し、ときに分枝することもあり、先に頭花を1~3個つける。6~7月に橙黄(とうこう)色で径6~8センチメートルの花を開く。茎には対生する小さな葉を少数つけ、全体に腺毛(せんもう)または軟毛を密生する。日本では栽培していないが、ヨーロッパ南部、中央部の山地草原、とくにアルプス牧場によくみられ、ドイツ北西部の低地まで分布している。ヨーロッパでは古くからの民間薬であり、花と根を万能薬として用いた。また、伝統医学でも重要な薬物として花を狭心症の治療に用いる。経口投与で心臓機能を高め、冠動脈の血流を改善する作用がある。神経痛、挫傷(ざしょう)、打撲傷、痔(じ)、出血などに外用もする。

[長沢元夫 2022年1月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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