打撲傷(読み)ダボクショウ

デジタル大辞泉 「打撲傷」の意味・読み・例文・類語

だぼく‐しょう〔‐シヤウ〕【打撲傷】

打撲によってできた傷。皮膚は破れることなく、皮下組織損傷を受けたもの。打ち身
[類語]打ち身打ち傷挫創挫傷

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精選版 日本国語大辞典 「打撲傷」の意味・読み・例文・類語

だぼく‐しょう‥シャウ【打撲傷】

  1. 〘 名詞 〙 衝突転落などによる強い打撃によってできる創傷。打ち身。打撲。
    1. [初出の実例]「自分で自分に打撲傷(ダボクシャウ)を与へるやうなもので」(出典明暗(1916)〈夏目漱石〉九七)

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改訂新版 世界大百科事典 「打撲傷」の意味・わかりやすい解説

打撲傷 (だぼくしょう)

種々な程度の鈍力によって生ずる損傷で,表面の皮膚に創傷がないものをいう。打撲傷と挫傷contusionとはほとんど同意語として使われているが,厳密にいえば挫傷のうち打撲によるものが打撲傷である。いわゆる〈うちみ〉のこと。身体各部の外力に対する抵抗は,皮下組織や小血管が弱く,やや大きな血管,筋肉,筋膜,腱,神経などは抵抗がより強く,最も抵抗の強いのが皮膚である。むちや棒きれなどで打たれたときにできる〈みみずばれ〉では,皮膚の発赤とはれがみられるが,これは皮膚血管の拡張と軽度の滲出による。さらに鈍力が強く加わると,主として皮下組織中の毛細血管が損傷されて皮下出血を生じ,皮膚に種々な大きさの斑点(青あざ)ができる。深部の筋肉が損傷されると,当初は出血斑はみられないが,出血した血液が組織の間隙を通って重力に従って身体の低部に流れ,その部におくれて斑点が生じたり,組織間に血液が貯留して血腫をつくる。血液はしだいに吸収されて,斑点・血腫は消失する。軽い打撲傷では冷湿布などをするだけで十分だが,加わった鈍力の大きさによっては大血管内臓の損傷,骨折などのある場合もあり,このような重篤な例では手術を必要とすることもある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「打撲傷」の意味・わかりやすい解説

打撲傷
だぼくしょう
contusion

鈍性の外力で生ずる傷で、俗に打ち身といわれ、転倒、転落、スポーツなど日常の軽い事故で生ずる。皮膚に傷がなく、皮下組織、筋肉などの軟組織の挫滅(ざめつ)により、疼痛(とうつう)、腫脹(しゅちょう)をきたし、俗に瘤(こぶ)といわれる皮下血腫を形成することがある。疼痛、腫脹に対しては冷湿布と消炎鎮痛剤の投与を行うが、疼痛がとれれば温湿布で挫滅組織の吸収を早くする。なお、外力が強いときは、臓器損傷を考慮した慎重な検査と観察が必要である。

[荒木京二郎]

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