アルバーロ(その他表記)Corrado Alvaro

改訂新版 世界大百科事典 「アルバーロ」の意味・わかりやすい解説

アルバーロ
Corrado Alvaro
生没年:1895-1956

イタリア小説家代表作アスプロモンテの人びと》(1930)は,故郷である南イタリアのアスプロモンテ地方の後進性のゆえに,過酷な運命にもてあそばれる貧しい人びとの生活を描きながら,徐々に忍び寄る近代化なかで,失われゆく古い時代を,懐郷の思いをこめて追想した短編集。その作品には自伝的要素が濃い。ほかに,長編《二十年》(1930),詩集《旅》(1942)など。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルバーロ」の意味・わかりやすい解説

アルバーロ
Alvaro, Corrado

[生]1895. レッジョカラブリア,サンルーカ
[没]1956.6.11. ローマ
イタリアの詩人,小説家。第1次世界大戦に参加,両腕重傷を負った。初期の詩集に『緑灰色の詩篇』 Poesie grigioverdi (1917) がある。その後『スタンパ』 Stampa,『コリエーレ・デッラ・セーラ』 Corriere della seraなど多数の新聞,雑誌を編集し,ファッショ政権崩壊の直後には『ポポロ・ディ・ローマ』 Popolo di Roma紙を主宰した。代表作に,故郷カラブリアの貧しい農民や羊飼いの生活を描いた短編集『アスプロモンテの人々』 Gente in Aspromonte (30) ,また,ストレーガ賞を受賞した『半自叙伝』 Quasi una vita (51) がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルバーロ」の意味・わかりやすい解説

アルバーロ
あるばーろ
Corrado Alvaro
(1895―1956)

イタリアの小説家。第一次世界大戦に参戦した体験をもとに詩集『灰緑色の詩集』(1917)を発表。短編集『アスプロモンテの人々』(1930)は、古代の影が濃く残る故郷アスプロモンテ地方を舞台に、貧しい羊飼いの一家がしだいに資産家に追い詰められ、ついには山賊になるという、重い社会性をはらんだ同名の一編を含む。ほかに長編『20年』(1930)などがある。

[川名公平]

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