アルペンホルン(読み)あるぺんほるん(英語表記)Alpenhorn ドイツ語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルペンホルン」の意味・わかりやすい解説

アルペンホルン
あるぺんほるん
Alpenhorn ドイツ語
Alphorn ドイツ語

アルプス山地の羊飼いが用いるリップリード式の気鳴楽器モミシナポプラなどの長材を縦に半分に割り、中をくりぬいたのち、ふたたびあわせ、その上を樹皮ガットなどで巻いてつくる。管長は120センチメートルぐらいのものが多いが、4~5メートルに及ぶものもある。マウスピース(歌口)は近年別作りのものが多い。第2から第8ないしそれ以上の倍音を組み合わせて音型をつくり吹き鳴らす。ベートーベン作曲『田園交響曲』第5楽章の冒頭に、アルペンホルンを模した音型が使われている。その歴史は古く、14世紀にはすでに羊飼いの合図用として使われており、その後教会の招集時や戦争時にも使われた。同種のものは、スカンジナビアからロシア、スラブ諸国、高地ドイツに至るまでみられる。

[川口明子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ぐんまちゃん

群馬県のマスコットキャラクター。人間だと7歳ぐらいのポニーとの設定。1994年の第3回全国知的障害者スポーツ大会(ゆうあいピック群馬大会)で「ゆうまちゃん」として誕生。2008年にぐんまちゃんに改名...

ぐんまちゃんの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android