イェヌーファ(その他表記)〈チェコ〉Jenůfa

デジタル大辞泉 「イェヌーファ」の意味・読み・例文・類語

イェヌーファ(〈チェコ〉Jenůfa)

ヤナーチェクオペラ。全3幕。1894年から1903年にかけて作曲。1906年改訂。プライソバー原作の戯曲彼女養女」に基づく。モラビア寒村舞台に、主人公の女性イェヌーファをめぐる愛や嫉妬を描いた作品言葉の自然な抑揚に基づく発話旋律という手法を用いたことで知られる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のイェヌーファの言及

【ヤナーチェク】より

…1881年ブルノ・オルガン学校の創立に参画してその校長となり,1919年にはプラハ音楽院のブルノ分校を発足させて,そのマスター・クラスで作曲を教えるなど,モラビア文化の発展に尽くしたが,作曲の基礎になった東モラビアの民俗音楽の特異性――スラブ系の特徴に,ハンガリーからはいった東洋的な特徴が混じり合い,われわれ東洋人にはむしろ親しみやすい――も手伝って,自国でも認められるのが遅れた。いまでこそ《イェヌーファ》(1903),《カーチャ・カバノバー》(1921),《死者の家》(1928)のようなリアリズム劇の系統のオペラも,また,人生への鋭い風刺や仏教的な輪廻の思想を織り込んだオペラ《利口な女狐の物語》(1923)も,日本を含めて世界各国のことばに訳されて上演されるようになっているが,ブルノでは完成の翌年初演されて名声を確立した《イェヌーファ》も,首都プラハの国民劇場が取り上げるまでには,さらに12年間も待たねばならなかった。オペラ以外の声楽曲には,ミサ曲の形を借りた人間賛歌ともいうべき《グラゴル・ミサ》(1926)や,恥も外聞も捨てて,人間として正直に生きた若者の姿を,大胆な愛欲の描写も交えて描いた室内カンタータふうの連作歌曲《消えた男の日記》(1919)のような傑作があり,初期の合唱曲を取り上げるアマチュア合唱団なども増えつつある。…

※「イェヌーファ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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