現代外国人名録2016 「イスマイルカダレ」の解説
イスマイル カダレ
Ismaïl Kadaré
- 職業・肩書
- 作家
- 国籍
- アルバニア
- 生年月日
- 1936年1月28日
- 出生地
- ジロカストロ
- 学歴
- ティラナ大学卒
- 資格
- アルバニア・アカデミー会員
- 受賞
- 国際ブッカー賞(第1回)〔2005年〕,アストゥリアス皇太子文学賞〔2009年〕,エルサレム賞〔2015年〕
- 経歴
- 詩人として出発し、「青春の霊感」(1954年)、「夢」で文壇に登場。モスクワのゴーリキー世界文学研究所に留学したが、’60年アルバニアとソ連の関係悪化により帰国。ジャーナリストとしていくつかの雑誌に関わった後、小説、評論を手がける。イタリアの将軍がアルバニアへ部下の遺骨を収集に来た実話を題材とした長編小説「死者の軍隊の将軍」(’63年)のフランス語訳が国際的な評価を受け、30ケ国以上で翻訳出版、’83年には映画化もされた。その後「結婚式」(’68年)、「城」(’70年)、「石の上の年代記」(’71年)、「大いなる冬」(’77年)、「三つのアーチの橋」「音楽会」、「誰がドルンチナを連れ戻したか」(’80年)などアルバニアの歴史や社会情勢を踏まえた作品を次々と発表。フランス語訳や英語訳を通じて国際的に高い評価を受け、ノーベル文学賞の有力候補として何度も名前を挙げられる。労働党の一党体制下で制限を受けながら執筆を続けていたが、’90年10月一時フランスに政治亡命し、「アルバニアの春」を出版。’91年複数政党制となった母国に帰国。以後、アルバニアとフランスを自由に行き来する。2005年英文学最高の賞として知られるブッカー賞に国際版である国際ブッカー賞が新設され、その第1回受賞者となる。他の作品に「コソボのための三つの葬送歌」「夢宮殿」「砕かれた四月」「ファイルH」「草原の神々の黄昏」「夢のかけら」「春の花、春の霜」などがある。
出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」現代外国人名録2016について 情報