イドルス(その他表記)Idrus

改訂新版 世界大百科事典 「イドルス」の意味・わかりやすい解説

イドルス
Idrus
生没年:1921-79

インドネシアの作家。西スマトラのパダンに生まれ,日本占領時代に創作活動を始める。日本軍政から独立革命期の激動する社会に生きる庶民の暮しを好んで短編小説に描いた。とくに,独立革命の最大の戦いとなった1945年11月のスラバヤ戦闘を舞台にした代表作《スラバヤ》(1947)は,革命に酔う若者戦火に逃げまどう婦女子,革命を食いものにする闇商人などの姿をシニカルな筆致で描き出し,インドネシア文学史上〈45年世代〉と呼ばれる戦争と革命の文学者群のなかでの彼の名声を不動にした。57年マレーシアに移住,65年以降はオーストラリアに住み,大学でインドネシア文学を講じた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イドルス」の意味・わかりやすい解説

イドルス
Idrus

[生]1921.9.21. 西スマトラ,パダン
[没]1979.5.19. パダン
インドネシアの作家。日本軍政時代から短編および戯曲を書きはじめた。軍政下の民衆の生活をユーモアと辛辣な皮肉と小気味よいテンポの文体で描く『地下のスケッチ』シリーズの短編が有名である。独立戦争に題材をとった『スラバヤ』でもその辛辣な語り口は変らない。 1957年にマレーシアに移り,68年からはオーストラリアの大学でインドネシア文学を講じた。上記2作は,初期のロマンチックな作品とともに『「アベ・マリア」から「ローマへの他の道」』 Dari Ave Maria Ke Djalan Lain Ke Roma (1948) に収められている。

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367日誕生日大事典 「イドルス」の解説

イドルス

生年月日:1921年9月21日
インドネシアの小説家,劇作家
1979年没

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