改訂新版 世界大百科事典 「イワノーフ」の意味・わかりやすい解説
イワノーフ
Lev Ivanovich Ivanov
生没年:1834-1901
ロシアの舞踊家,振付師。1852年ペテルブルグの帝室劇場学校舞踊科を卒業,マリインスキー劇場付となり,69年ペチパのもとで第1舞踊手,85年次席バレエマスターとなり,独立の作品を発表するにいたった。また音楽の天分と才能に恵まれ,彼にとって音楽はつねに舞踊の形象の源泉であった。振付した作品は十数編あるが《くるみ割り人形》(1892)第1幕の終りの雪の精の踊りは,少女の幻想に浮かぶ自然の詩趣あふれる名場面である。しかし彼の名を不朽にしたのはペチパとの合作《白鳥の湖》(1895)で,彼の担当した白鳥の場面は,人間=白鳥の諸形象を主役と群舞の交響楽的処理によって描きだし,名作としたのである。
執筆者:野崎 韶夫
イワノーフ
Il'ya Ivanovich Ivanov
生没年:1870-1932
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報