日本大百科全書(ニッポニカ) 「インディアナポリス」の意味・わかりやすい解説
インディアナポリス
いんでぃあなぽりす
Indianapolis
アメリカ合衆国、インディアナ州の州都で、同州最大の都市。人口78万1870(2000)。州の中央部に位置するという地理的条件に恵まれて、商工業、金融の中心的役割を担い、鉄道、ハイウェーなど、中西部の陸上交通の要地としても重要。北部の工業地帯と中西部のコーンベルトとの境界域にあるため、穀物や畜産物の主要市場であるとともに、重要な製造業の中心地でもある。製造業は約1500業種と多様であるが、おもなものは航空機、自動車のエンジンや部品、エレクトロニクス、医薬品、機械などである。近年は新しいショッピング・センターの進出で、小売業の機能は思わしくないが、卸売業は健在。また60もの保険会社の本社が集中し、金融、保険の中心地ともなっている。
1820年に町ができ、25年に同州の州都となったが、そのときの人口はわずか600人であった。その後、鉄道の開通などによって急速な発展を遂げ、さらに19世紀末の天然ガス発見から自動車工業の進出、第一次、第二次世界大戦を通じての産業の多様化が、同市の発展を大きく促した。教育・文化施設も多く、バトラー、インディアナ・セントラル、マリアンの各大学や、合衆国最大の規模を誇るインディアナ大学メディカル・センターをはじめ、美術館、博物館、公園、動物園、市民のための運動施設なども多い。都市再開発によって、1970年代以降の10年間に多くの高層ビルが林立し、大きな変化を遂げた。第23代大統領ベンジャミン・ハリソンの生家がある。インディアナポリス・モーター・スピードウェーでは、有名な「インディ500マイル」自動車レースが毎年5月30日(メモリアル・デー)に開催される。
[作野和世]