1999年に登録、2005年、2008年に登録内容が変更されたインドの世界遺産(文化遺産)で、西ベンガル州シッキム地方のダージリン・ヒマラヤ鉄道とタミルナードゥ州ニルギリ地方のニルギリ山岳鉄道とデリー北部のカルカ・シムラ鉄道からなる。ダージリン・ヒマラヤ鉄道は、始発のニュージャルパイグリとダージリンを結ぶ、全長88.48kmの世界最古の山岳鉄道で、開通は1881年。ダージリンティーの産地として知られるダージリンは、植民地時代にイギリスが避暑地として開発したところで、標高2100mを超える高原リゾートとして知られる。この鉄道の特徴は、線路の幅が狭いナローゲージで、そこを「豆列車」と呼ばれる列車が、ヒマラヤ山脈の壮大な景観をぬって走る。一方、2005年に登録されたニルギリ山岳鉄道は、タミルナードゥ州のメットゥパラヤムとウダガマンダラム(旧ウーティ)を結ぶ。ダージリン・ヒマラヤ鉄道と同じナローゲージの全長45.88kmの山岳鉄道で、開通は1908年。最高地点は2203m。インド最後の蒸気機関車鉄道の一つである。2008年に登録されたカルカ・シムラ鉄道は、カルカとシムラを結ぶ全長96kmの単線鉄道。開通は1903年。このような、初期の山岳鉄道の面影を残す重要な鉄道であることが評価され、世界遺産に登録された。◇英名はMountain Railways of India