翻訳|gauge
鉄道線路の2本のレールの間隔で、ゲージともよばれる。日本ではレールの上面から16ミリメートル以内での、左右レール頭部間の最短距離をいう。
世界最初に鉄道を実用化したイギリスの鉄道の軌間が1435ミリメートルであったため、これを標準軌間といい、これより広いものを広軌、狭いものを狭軌とよんでいる。日本ではJRをはじめ1067ミリメートルの狭軌が多く採用されている。新幹線の標準軌間を広軌とよぶことがあるが、これは在来線の狭軌よりも広いという意味で、正しい用法ではない。
世界各国の鉄道では、それぞれの国情に応じて各種の軌間が採用されているが、標準軌間は世界の鉄道のおよそ70~75%を占めている。
なお、日本独自の軌間に1372ミリメートルがあるが、これは、東京都電の前身である馬車鉄道の軌間を引き継ぎ、東京付近の私鉄でも使用していた。しかし相互乗り入れの関係で大部分は改軌され、現在は東京都電、都営地下鉄の一部、京王電鉄などが採用しているにすぎない。また、私鉄の一部には762ミリメートルの俗称「とろっこゲージ」とよばれているものもある。
広軌鉄道は建設費、車両費が多くかかるが、車両の安定がよく、車両も大型に製作できるため、車内設備も十分にでき、高速運転、大量輸送に適している。一方、狭軌鉄道は、すべてが小規模なので広軌鉄道に劣るが、日本では多くが狭軌鉄道でありながら、ヨーロッパの標準軌間や広軌鉄道に匹敵する大きさの車両で運転され、普通の狭軌鉄道とは比較にならぬほどの高能率な働きをしている。
[松澤正二]
『柴田元良著『鉄道工学』(1971・コロナ社)』▽『久保田博著『鉄道工学ハンドブック』(1995・グランプリ出版)』
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…また後述するが,電車通過時の騒音,振動対策もとられている。日本の地下鉄の軌間は,狭軌(1067mm)と標準軌(1435mm)がほとんどであるが,東京都営新宿線の1372mmや札幌のゴムタイヤ軌道(南北線,ゴムタイヤ中心間隔2300mm)もある。郊外電車との相互乗入れのときは郊外電車の軌間に合わせることになる。…
…日本政府には,さらに〈防共鉄道〉の名のもとに,ソ連の南側を通ってアジア大陸を横断し,ナチス・ドイツと結ぶ鉄道の建設計画が鉄道関係者から進言されていた。ナチス・ドイツ政府も,42年以降,軌間3mという巨大な鉄道を,ドイツと周辺の地域に建設する計画を立て,その実行に踏み切ろうとしていた。この鉄道は,おもにドイツ軍の脅威のもとにあったソ連のウクライナ地方から莫大な物資をドイツに輸送することを目的としていた。…
※「軌間」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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