インベストメント鋳造法(読み)インベストメントちゅうぞうほう(英語表記)investment casting process

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インベストメント鋳造法」の意味・わかりやすい解説

インベストメント鋳造法
インベストメントちゅうぞうほう
investment casting process

形状複雑でしかも高精度寸法を要求される鋳物の製作法であり,精密鋳造法の一種。ロストワックス法や日本古来の真土 (まね) 型法,ろう型法と同じ原理であるが,インベストメント (被覆) の方法が改良されている。まず目的物と同型の主模型を金属でつくり,その外側に易融合金など寸法の狂いの少い低融点合金を鋳込んでつくった外型の中にワックスを圧入すれば目的物と同形のワックス模型が得られる。これをシリカ,ジルコン,アルミナなどの微粉耐火材と水ガラス,エチルシリケートなどの粘結剤とを混合した泥漿に浸して引上げ,さらに粗粒の耐火物粉を吹きつける。これがインベストメント作業である。これを鋳枠に入れて周辺に耐火材と粘結剤の混合物を詰め,乾燥後低温加熱でワックスを溶かして流し出し,さらに 900~1000℃に加熱して残留ワックスを蒸散させると同時に型を焼成する。これを鋳型として重力鋳造または遠心鋳造などで溶融金属を鋳込む。鋳物は肌が美しく精度のよいことが特徴で,ほとんどあらゆる金属材料に適用できる。同じ系統の鋳造法に,ワックスの代りに水銀を使うマーキャスト法,ワックスの融解トリクロロエチレンを使うXプロセス,インベストメントにシリカを主剤として使うグラスキャスト法,同じくエチルシリケート混剤を使うショープロセスなどがある。

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