1981年に登録されたオーストラリアの世界遺産。シドニー南西のニュー・サウス・ウェールズ州に位置する。ウィランドラ湖など多くの湖が点在する地域と、約1万5000年前の干上がった湖が乾燥湖となった砂漠地帯からなる複合遺産で、面積は約37万ha。砂漠は、乾燥した湖底の砂と粘土層が浸食されてできた三日月形の砂丘が、33kmにわたって続いている。ここは1980年に、3万5000~4万年前のものと推定されるホモ・サピエンス・サピエンスの骨が発見されたところであり、また、先住民アボリジニの生活の痕跡を示す約4万年前の石器や貝塚、墓なども多数発掘されており、さらに、人類最古の火葬場が発見されたことでも知られるなど、世界で最も重要な考古遺跡の一つとなっている。このような、人類学的、自然科学的価値が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はWillandra Lakes Region