日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウッダーラカ・アールニ」の意味・わかりやすい解説
ウッダーラカ・アールニ
うっだーらかあーるに
Uddālaka Ārui
生没年不詳。紀元前8世紀のインド哲学、ウパニシャッドの思想家の一人。クル・パンチャーラ地方出身のバラモンで、父はアルナArua、息子にシュベータケートゥŚvetaketuまたはナチケータスNaciketasがあった。ヤージュニャバルキヤをその弟子とすることもある。彼の思想は、現象世界の諸存在はことばによる表示であり、その本質は、精神性を備えた実体的な原理サット(有(う))であると説くもので、サットはすなわちアートマン(我(が))にほかならず、サットからの諸存在の成立を説く。「おまえはそれである」という名言は、その思想のすべてを言い尽くしている。
[松濤誠達 2018年5月21日]