日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤージュニャバルキヤ」の意味・わかりやすい解説
ヤージュニャバルキヤ
やーじゅにゃばるきや
Yājñavalkya
生没年不詳。インド哲学、ウパニシャッドにおいてもっとも有名な思想家。ほぼ紀元前750~前700年の人。『ヤジュル・ベーダ』の一種である「白ヤジュル・ベーダ」の祖であり、ベーダ聖典中の記述から、ヤージュニャバルキヤ二人説、三人説がある。絶対者アートマン(我(が))は否定的名辞によってのみ説明されうるものであるが、アートマンの認識はすべてのものの認識につながる。死後には、人間の識別作用は存することはない。そしてアートマンへの帰入こそ不死であるというのが彼の学説である。なお、彼の哲学説はジャイナ教の古い文献にも触れられている。
[松濤誠達 2018年5月21日]
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