ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウリベ」の意味・わかりやすい解説
ウリベ
Uribe Vélez, Álvaro
コロンビアの政治家。大統領(在任 2002~10)。メデリンのアンティオキア大学で法学学士号を取得,のちにアメリカ合衆国のハーバード大学で経営管理学を学んだ。1970年代半ばにはアンティオキア州庁に勤務し,メデリンで州労働省事務局長,また,国の民間航空行政の責任者を務めた。メデリン市長として在職中(1982~84),牧場主だった父が左翼ゲリラ組織コロンビア革命軍 FARCに拉致されて殺された。その後 1986~94年に上院議員を連続 2期,1995~97年にアンティオキア州知事を務めた。2002年5月に行なわれた大統領選挙では,政権党の自由党と袂を分かち無所属候補として立候補,選挙運動団体「コロンビア第一」を設立し「豪腕と寛容」というスローガンを掲げた。前政権がゲリラ勢力,民兵勢力,麻薬業者のいずれの武装勢力とも和平交渉に失敗したのをうけて,これらの勢力に対して強硬姿勢で臨むと公約し,行政の効率化と不正対策のために包括的な政治改革が必要だとも訴えた。正式に大統領に就任した 2002年8月7日,首都ボゴタの中心部でロケット弾や爆弾を使ったテロが相次いだが,非常事態宣言を出して大統領権限で国軍と警察の拡充に乗り出した。2006年,綱紀粛正,緊縮政策の実行を約束し,再選を果たした。2009年1月には文民に対するアメリカ最高位の勲章,大統領自由勲章を受章。憲法の規定により,3期目への立候補は認められなかった。
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