ドイツの作家ハインリヒ・マンの小説。1905年刊。「汚物」を意味する「ウンラート」のあだ名で知られる高校教師ラートが主人公。北ドイツの小都市で、秩序維持を使命と感じ、生徒に対して暴君として支配するこの教師が、早熟な一生徒の詩に言及された踊り子ローザを捜しに出かけ、結局彼自身が彼女に魅せられて破綻(はたん)していく姿が、グロテスクに描かれる。副題が「暴君の最後」で、ウンラートの「支配者意識」が鋭くえぐり出されるとともに、この町の真の支配層の状況も示される。1930年、Der blaue Engel(踊り子のいる酒場の名)の表題で映画化(邦題『嘆きの天使』、台本カール・ツックマイヤー、監督ジョセフ・フォン・スタンバーグ、主演エミール・ヤニングス、マレーネ・ディートリヒ)され、大きな人気を博した。
[長橋芙美子]
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