エゾイバラガニ(その他表記)Paralomis multispina

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エゾイバラガニ」の意味・わかりやすい解説

エゾイバラガニ
Paralomis multispina

軟甲綱十脚目タラバガニ科。甲幅 8cmほどで,3対の歩脚が著しく長い。甲は洋梨形で,胃域と鰓域が隆起している。甲面は大小とげで覆われており,大きなとげは基部で後方から前方へ斜めに切断され,周囲を短毛で囲まれている。鋏脚,歩脚も長短の鋭いとげで覆われている。ベーリング海からアメリカ合衆国カリフォルニア州までの太平洋北東部,また,カムチャツカ半島沿岸から熊野灘までの太平洋北西部に分布し,水深 400~1200mにすむ。水産業上の価値はあまり大きくないが,駿河湾などではかご網で漁獲している。ゆでたり蒸したりすると乳製品のような香りがすることから,ミルクガニと呼ばれる。エゾイバラガニ属 Paralomis は世界に 45種ほどが知られているが,いずれも深海性である。(→甲殻類十脚類節足動物軟甲類

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android