エフィラ(読み)えふぃら(英語表記)ephyra

翻訳|ephyra

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エフィラ」の意味・わかりやすい解説

エフィラ
ephyra

刺胞動物門鉢虫綱の冠クラゲ類,旗口クラゲ類,根口クラゲ類の,生活史の一時期に見られる幼生で,クラゲ型。浮遊性のプラヌラ幼生が海底変態して生じたポリプに多くの水平なくびれが入ってできたストロビラから遊離して生じる。直径 1~2mmの円盤形をしていて,周囲に 8本の花びら状の弁をもつ。浮遊生活を送る間に胃水管系,触手,ゼラチン質などが発達して成体となる。(→クラゲ刺胞動物鉢虫類無脊椎動物

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エフィラ」の意味・わかりやすい解説

エフィラ
えふぃら
ephyra

腔腸(こうちょう)動物門ハチクラゲ綱のエフィラ類、すなわち冠クラゲ目、旗口(はたくち)クラゲ目、根口(ねくち)クラゲ目の生活環にみられる幼生名。これらのクラゲの雌の生殖腺(せん)に発達した卵は、受精して遊離し、繊毛をもったプラヌラ幼生となり、これが付着してポリプとなる。これはハチポリプ(鉢ポリプ)またはスキフラ幼生とよばれるが、この触手列の下方に横のくびれが生じ、やがて扁平(へんぺい)な盤状のものとなって、そのハチポリプから離れて泳ぎ出すが、これがエフィラ幼生である。一般にエフィラにはその中央に口、周辺には8個の縁弁がみられる。エフィラはこの縁弁を活発に動かして遊泳するが、その間にしだいに胃腔系や触手などが発達して成体(クラゲ)となる。

[山田真弓]

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