六訂版 家庭医学大全科 「エプシュタイン奇形」の解説
エプシュタイン奇形
エプシュタインきけい
Ebstein anomaly
(循環器の病気)
どんな病気か・原因は何か
先天性の
症状の出現も、三尖弁逆流が高度で右心室機能不全の強い場合は新生児期に全身性のチアノーゼ(皮膚や粘膜が紫色になること)、心不全を起こして死亡する場合があります。
比較的軽症の場合には症状が極めて軽微なので、成人期に初めて心雑音、またはWPW症候群による
本症が妊娠初期に炭酸リチウム(
検査と診断
診断の確定には心臓超音波検査(心エコー)が最も有効で、三尖弁の付着異常が直接確認できます。手術が必要な場合にはその後、心臓カテーテル、心血管造影検査(精密検査)が必要です。
本症と区別すべき病気としては、
治療の方法
治療方針の決定は、循環器小児科医によってなされます。無症状ないしごく軽度のチアノーゼだけがある場合では、とくに治療は必要ありません。不整脈の合併に対しては、内科的治療あるいはカテーテルによる
日常生活が制限される場合や高度の心拡大(心胸比65%以上)、高度のチアノーゼ、
新岡 俊治
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報