躁病(読み)そうびょう

デジタル大辞泉の解説

そう‐びょう〔サウビヤウ〕【×躁病】

気分が異常に高揚し、開放的になったり怒りっぽくなったりする状態が続く精神疾患気分障害の一つ。双極性障害躁鬱病(そううつびょう))の躁状態をいうことが多いが、鬱状態を伴わず状態だけが繰り返し現れる場合もある。
[補説]躁状態が4日間以上続く場合は軽躁、1週間以上続く場合は躁病と診断される。

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百科事典マイペディアの解説

躁病【そうびょう】

躁状態を主とする疾患をいう。原因不明の精神疾患で感情の爽快(そうかい)と意欲・行為の興奮を主症状とする。感情は爽快で,意欲と行動性が増し,考えが次から次へとわき出し,多弁となるが,落着きはない。身体の調子は好調で健康感,能力感にあふれる。青春期・青年期に初発し数週間で寛解,予後は良好。躁状態が周期的にくる場合はまれで,多くの場合は鬱状態と交代にくる躁鬱(そううつ)病となる。治療は鎮静的作用のある向精神薬による薬物療法が中心で,とくに炭酸リチウムが効果がある。→鬱病
→関連項目気分障害持続睡眠療法

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大辞林 第三版の解説

そうびょう【躁病】

気分の高揚、意欲の亢進こうしん、観念奔逸などの躁状態を特徴とする精神障害。躁と鬱うつが交代して現れる躁鬱病の躁病相をさすことが多いが、躁状態のみが現れるものもある。 → 躁状態躁鬱病

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精選版 日本国語大辞典の解説

そう‐びょう サウビャウ【躁病】

〘名〙 躁鬱(そううつ)病の躁状態のこと。気分爽快で、精神が高揚し、じっとしていられず注意がすぐ別のものに向けられ、また、多弁、大言壮語などの傾向がみられる。⇔鬱病
楡家の人びと(1964)〈北杜夫〉二「躁病の患者もそれを収容しておくのは大変な難儀とはいえ」

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世界大百科事典内の躁病の言及

【感情】より

感情論【木田 元】
[感情障害]
 感情障害は正常な範囲の感情変化のほかさまざまな精神疾患に見いだされる。鬱(うつ)病では生命の流れが遅滞し,そのために抑制と同時に悲哀感が,躁病では生命の流れが促進し,行動促迫と同時に生命感情の高揚が生ずるのが特徴的である。鬱病では無力感,自信喪失感,絶望感から,自殺観念,鬱病の三大妄想である心気,貧困,罪業妄想が発展し,躁病では自我感情の高揚感,万能感から誇大妄想が発達し,社会的逸脱行為に走る。…

【感情】より

感情論【木田 元】
[感情障害]
 感情障害は正常な範囲の感情変化のほかさまざまな精神疾患に見いだされる。鬱(うつ)病では生命の流れが遅滞し,そのために抑制と同時に悲哀感が,躁病では生命の流れが促進し,行動促迫と同時に生命感情の高揚が生ずるのが特徴的である。鬱病では無力感,自信喪失感,絶望感から,自殺観念,鬱病の三大妄想である心気,貧困,罪業妄想が発展し,躁病では自我感情の高揚感,万能感から誇大妄想が発達し,社会的逸脱行為に走る。…

【誇大妄想】より

…おもに次のような精神疾患に出現する。躁病の誇大妄想は高揚した自我感情から発する願望や空想がそのまま異常に強く確信されたもので,固定的ではない。進行麻痺の誇大型でも高揚した感情状態から誇大妄想が生じ,判断力などの知的能力の低下が加わって,グロテスクな内容になることが多い。…

【躁鬱病】より

…彼はフランスの学者ファルレJ.P.Falretの循環精神病,バイヤルジェJ.Baillargerの重複型精神病の後を受け,〈躁〉と〈鬱〉との気分の周期的変動を繰り返すが人格崩壊を起こさない精神病を躁鬱病と呼んだ。躁鬱病には,躁と鬱との両病相を繰り返す循環病,躁病相のみ,あるいは鬱病相のみを繰り返す周期性躁病,周期性鬱病,1回だけの病相を示す単相躁病,単相鬱病などが含められている。これらのすべてを躁鬱病という一つの病気として考えることには今日異論が多い。…

※「躁病」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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