ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジューブ」の意味・わかりやすい解説
ジューブ
Jouve, Pierre Jean
[没]1976.1.8. パリ
フランスの詩人。 1909年パリに出て象徴派風の詩集『死人たちの踊り』 La Danse des morts (1917) などを出したが,24年頃から,精神分析の諸理論に啓発されて新しい詩の概念の発見を目指し,本能にとらわれるとともに魂の高揚を願う人間の二重性を追求した詩集『血の汗』 Sueur de sang (35) を著わした。第2次世界大戦中はスイスにあって,神秘主義とレジスタンスの精神を融合した『パリの聖母』 La Vierge de Paris (46) を書いた。戦後は再び孤独な内省の生活に戻り,詩集『王冠』 Diadème (49) などに収められた,難解だが,深い感動に満ちた詩によって,現代の詩人に大きな影響を与えた。
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