エルジェム(英語表記)El Djem

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エルジェム」の意味・わかりやすい解説

エルジェム
El Djem

チュニジア北東部,首都チュニスの南東 170kmにある古代ローマ植民都市円形闘技場遺構で知られる。穀倉地帯の中心地として,オリーブ油の取り引きで栄え,その富を背景に建造された円形闘技場は,3層のアーケードをもつ外壁に囲まれた高さ 40m,アリーナの直径 65m,3万 5000人を収容する。ローマのコロセウムに比肩するもので,それまでの斜面を利用した技法に対し,平地に切り出した石を漆喰で固める工法で建てられ,出入口は地下につくられた。 1695年オスマン帝国による破壊で西側部分を失うが,他の部分の保存状態は良好で修復作業も 1980年に完了した。 1979年世界遺産の文化遺産に登録。

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百科事典マイペディア 「エルジェム」の意味・わかりやすい解説

エル・ジェム

チュニジア北東部にある小村で,ローマ時代の円形闘技場の遺跡がある。240年にローマ皇帝ゴルディアヌス3世によって建造されたもの。縦149m,横124m,高さ36m,舞台は直径65m,収容人員約3万5000人で,北アフリカ最大の円形闘技場。切り出した石を漆喰(しっくい)で固めて積み上げて造ったもので,作業は大勢奴隷によって行われた。当時のローマ帝国の絶大な勢力を示す建造物で,保存状態もよい。1979年,世界文化遺産に登録。

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