日本大百科全書(ニッポニカ) 「エルスラー」の意味・わかりやすい解説
エルスラー
えるすらー
Franziska Elssler
(1810―1884)
ロマンチック・バレエ時代を代表するオーストリアのバレリーナ。通称ファニィFanny。ウィーン生まれ。生き生きとしてしかも官能的な魅力をもち、15歳のときナポリ公演で一躍有名になり、その後世界各国で活躍した。『ラ・フィユ・マル・ガルディ』などを当り役としたが、1836年パリ・オペラ座で、コラルリ振付けの『びっこの悪魔』のなかのスペイン舞踊カチューチャを踊り、大成功をおさめた。白いモスリンを着て踊る天上的なタリオーニに比較され、地上的な美しさをもつダンサーといわれた。ほかに『ジプシー』『タランチュラ』『エスメラルダ』などの代表作がある。
[市川 雅]
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