ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タリオーニ」の意味・わかりやすい解説
タリオーニ
Taglioni, Maria
[没]1884.4.24. マルセイユ
ロマンチック・バレエ時代を代表するイタリアのバレリーナ。バレエ一家に生れ,父 F.タリオーニからスパルタ教育を受けた。 1822年『テルプシコール宮殿での若きニンフの饗宴』でデビュー。 32年パリ・オペラ座で,父の振付によるロマンチック・バレエの最初の作品『ラ・シルフィード』の初演で踊り,名声を確立。以後,同時代の F.エルスラーと人気を二分し,ヨーロッパ各地を巡演した。容姿に恵まれず性的魅力に欠けるところから「婦人好みのバレリーナ」といわれたが,超人的な軽やかなステップは天上的と評された。また,今日一般的なスカート状のチュチュを着た最初のバレリーナともいわれ,ポアント (爪先で立つこと) の技法を確立したともいわれる。有名な出演作品には,そのほか『ダニューブの乙女』『パ・ド・カトル』『ジプシー』などがあり,唯一の振付作品に『蝶』 (1860) がある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報