日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオヤモリ」の意味・わかりやすい解説
オオヤモリ
おおやもり / 大守宮
tokay
[学] Gekko gecko
爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目ヤモリ科のトカゲ。別名トッケイ。インド、東南アジア、インドシナ、中国南部に分布するヤモリの最大種の一つで、全長25~30センチメートルに達する。体背面は細鱗に覆われ、大粒の顆粒(かりゅう)状鱗(うろこ)が散在する。頭部が大きくてあごの力が強く、敵が近寄ると、大きく口を開きガッと声をたてて脅かす。口の中は紫がかったピンク色で威嚇の効果があるが、かむ力も強い。夜間、大きな声でトッケイと連続して鳴くのが英名の由来で、東南アジアでは、家の中でトッケイが鳴くと幸福をもたらすとして歓迎される。卵生で、一度に2個ずつ壁などにつけて産卵する。餌(えさ)は昆虫類、他のヤモリ、小鳥などである。東南アジアでは本種を開いて乾燥したり、香港(ホンコン)では蒸留酒に漬けて民間薬として用いる。
[松井孝爾]