別名オオヤモリ。変わった鳴声をするヤモリ科のトカゲ。インド,東南アジア,中国南部に分布。ほかにも台湾などに人為分布の記録がある。ヤモリ類の最大種の一つで全長20~30cm以上。頭部は大きくて平たく,瞳孔は縦長。幼体の背面は暗褐色に白い帯模様が並ぶが,成体では灰青色または黄褐色に多数の赤色斑点が散在する。森林や居住区にすみ,夜間,突然大きな声で“トッケイ,トッケイ,……”と数回連続して鳴くが,これが名の由来となっている。現地の人々は,トッケイが家の中で鳴くと幸運をもたらすとして歓迎する。敵が接近すると大きく口を開き,“ガッ”というような声を立てて脅す。口の内部はピンク色と紫色で彩られ,威嚇を効果的にしている。かむ力は強く,昆虫類のほか小動物をもとらえる。卵は一度に2個ずつ壁や幹にくっつけて産む。東南アジアでは本種を乾燥したり酒に漬けて,民間薬として用い,雲南地方ではスープが高級料理とされる。
執筆者:松井 孝爾
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