日本大百科全書(ニッポニカ) 「オカリナ」の意味・わかりやすい解説
オカリナ
おかりな
ocarina イタリア語
19世紀後半イタリアのジュゼッペ・ドナーティが考案した容器型フルート。「オカ」はガチョウ、「オカリナ」は小さいガチョウを意味する。別名ポテトまたはスイート・ポテト。材質は土、粘土、金属、プラスチック、動物の骨など多様である。吹口(ふきぐち)は中央突出部にあり、内部は容器状の空洞で、8~10個の指孔は音高によって直径を異にする。原則的に8~10度の全音階を奏するが、指の開きぐあいで半音もつくれる。同種の楽器には、日本の鳩笛(はとぶえ)、中国にある土製6孔の塤(けん)、ココナッツ製で鼻で奏されるハワイのイプやホキオキオなどがあり、そのほかヨーロッパ、西アフリカ、南太平洋などにも広く分布している。
[橋本曜子]