日本大百科全書(ニッポニカ) 「オゼソウ」の意味・わかりやすい解説
オゼソウ
おぜそう / 尾瀬草
[学] Japonolirion osense Nakai
ユリ科(APG分類:サクライソウ科)の多年草。根茎は横走し、節から葉を束生する。葉は外側のものは鱗片(りんぺん)状、内側のものは長さ20~30センチメートルとなり、縁(へり)はざらつく。花茎は直立し、高さ30センチメートルに達し、その先端に総状花序をつける。7月ごろ径約5ミリメートルの黄白色花をつける。1属1種で、日本特産種。北海道天塩(てしお)の問寒別(といかんべつ)、本州の至仏山(しぶつさん)、谷川岳の蛇紋岩(じゃもんがん)地帯に隔離分布する。名は尾瀬の至仏山で最初に発見されたことによる。天塩山地のものはやや大形で、テシオソウともよばれ、別種とされたが、いまは同一種とされている。ユリ科とされていたが、APG分類ではサクライソウ属とともにサクライソウ科としてまとめられた。
[河野昭一 2018年10月19日]