エクアドル北部のオタバロ市を中心とするアンデス高地の原住民で,人口は約4万。15世紀にインカ帝国の統治下にはいったので,彼らの生活や社会にはインカの影響が強く,言語もインカ帝国の公用語であったケチュア語である。標高2500~3000mの高地に住み,農業を中心とする生活を送る。エクアドル・アンデスはほぼ赤道下にあるため,高地でも気候は比較的温暖で,トウモロコシ,ジャガイモ,ムギ類などを栽培,ウシ,ヒツジ,ブタなども飼う。とくにオタバロはアンデス原住民のなかでもすぐれた織手およびその商人として知られる。ポンチョ,その他の織物をエクアドル国内のみならず,中南米の国々,ときに北米にまで売りにでかけることでも有名。また,彼らは独特な服装でも知られる。男は,厚い木綿の白いシャツとズボンの上に紺色の毛製のポンチョを着て,つば広の帽子をかぶる。女は,白い木綿のブラウスの上にショールを重ね,毛織のスカートを腰に巻きつけ,頭は厚手のスカーフでおおい,糸に通した色鮮やかなビーズの首飾やブレスレットをつける。
執筆者:山本 紀夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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