オルトギ酸エチル(読み)おるとぎさんえちる(その他表記)ethyl orthoformate

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オルトギ酸エチル」の意味・わかりやすい解説

オルトギ酸エチル
おるとぎさんえちる
ethyl orthoformate

ギ酸に水が1分子付加して生成すると考えられる仮想の酸HC(OH)3をオルトギ酸というので、この化合物の3個のヒドロキシ基-OHの水素エチル基-C2H5に置き換えたエステルをオルトギ酸エチルとよぶ。オルトギ酸トリエチル、トリエトキシメタンともよばれる。クロロホルムナトリウムエトキシドとの反応によって得られる。甘いにおいをもつ無色液体である。エタノールエチルアルコール)、エーテルなどの有機溶媒と任意の割合で混じり合う。いろいろな有機化合物を合成する試薬として用いられる。

[廣田 穰]


オルトギ酸エチル(データノート)
おるとぎさんえちるでーたのーと

オルトギ酸エチル
  HC(OC2H5)3
 分子量 148.2
 融点  -76.1℃
 沸点  143℃/765mmHg
 比重  0.8934(測定温度20℃)
 屈折率 (n)1.3915

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「オルトギ酸エチル」の解説

オルトギ酸エチル
オルトギサンエチル
ethyl orthoformate

triethyl orthoformate.C7H16O3(148.20).CH(OC2H5)3.クロロホルムとナトリウムエトキシドとを反応させるか,またはホルムイミド酸エステル塩酸塩にエタノールを作用させると得られる.芳香をもつ無色の液体.沸点146 ℃.0.8909.1.3922.エタノール,エーテルに易溶,水に難溶(分解).ケトンまたはアルデヒドと反応してケタールまたはアセタールを生じる.また,活性メチレン基をもつ化合物(たとえば,マロン酸エステルなど)と反応してエトキシメチレン誘導体を生じる.[CAS 122-51-0]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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