日本大百科全書(ニッポニカ) 「オルトギ酸エチル」の意味・わかりやすい解説
オルトギ酸エチル
おるとぎさんえちる
ethyl orthoformate
ギ酸に水が1分子付加して生成すると考えられる仮想の酸HC(OH)3をオルトギ酸というので、この化合物の3個のヒドロキシ基-OHの水素をエチル基-C2H5に置き換えたエステルをオルトギ酸エチルとよぶ。オルトギ酸トリエチル、トリエトキシメタンともよばれる。クロロホルムとナトリウムエトキシドとの反応によって得られる。甘いにおいをもつ無色の液体である。エタノール(エチルアルコール)、エーテルなどの有機溶媒と任意の割合で混じり合う。いろいろな有機化合物を合成する試薬として用いられる。
[廣田 穰]