オレンジリボン運動(読み)おれんじりぼんうんどう

共同通信ニュース用語解説 「オレンジリボン運動」の解説

オレンジリボン運動

児童虐待のない社会の実現を目指す市民運動オレンジ色リボンシンボルマークで、関連イベントや啓発グッズに使われている。運動発端は栃木県小山市で2004年、幼い兄弟が虐待死した事件翌年地元の市民グループとNPO法人里親子支援のアン基金プロジェクト」が始めた。06年から児童虐待防止全国ネットワークが引き継ぎ、各地に広がっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オレンジリボン運動」の意味・わかりやすい解説

オレンジリボン運動
おれんじりぼんうんどう

児童虐待防止のための広報・啓発活動を行う市民運動。子どもの明るい未来を表すオレンジ色のアウェアネスリボンシンボルとする。2004年(平成16)、栃木県小山市で起きた、幼い兄弟が父親知人にたび重なる暴行を受けたうえ、橋から川に投げ込まれるという事件をきっかけに、翌2005年に小山市の任意団体カンガルーOYAMAが活動を開始。その後NPO法人里親子支援のアン基金プロジェクトの協力で活動が広がり、2006年からはNPO法人児童虐待防止全国ネットワークが総合窓口を担っている。オレンジリボン憲章として「子どもの命と心を守る」「家族の子育てを支援する」「里親と施設の子育てを支援する」「地域連帯を広げる」を目標に掲げ、毎年11月の児童虐待防止月間には国や地方自治体とも連携して全国的なキャンペーンを実施している。

 子どもの虐待に関する厚生労働省統計(「子ども虐待による死亡事例等の検証結果 第8次報告」)によれば、2010年度に心中以外の虐待によって子どもが死亡した事例は45件51人で、死亡した子どもの年齢は0歳児が23人ともっとも多い。虐待の種類は身体的虐待が32人、ネグレクトが14人で、その加害者は実母が30人、実父が7人、実母の交際相手が4人であった。また、実母が抱える問題としては若年での妊娠、望まない妊娠、妊婦検診や乳幼児健診の未受診などが多かった。虐待や虐待死を未然に防ぐためには、地域や国の対応機関の充実とともに、啓発活動が重要な課題である。

[編集部]

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