オークランド(読み)おーくらんど(英語表記)Oakland

翻訳|Oakland

デジタル大辞泉 「オークランド」の意味・読み・例文・類語

オークランド(Auckland)

ニュージーランド北島北部の港湾都市。ハウラキ湾の湾奥に位置する。1865年まで首都が置かれた。同国最大の貿易港であり、南太平洋の交通・経済の中心地。人口、行政区44万、都市圏131万(2008)。

オークランド(Oakland)

米国カリフォルニア州サンフランシスコ湾東岸にある港湾都市。ベイブリッジにより対岸のサンフランシスコと結ばれる。食品加工化学工業が盛ん。

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精選版 日本国語大辞典 「オークランド」の意味・読み・例文・類語

オークランド

  1. ( Oakland ) アメリカ合衆国、カリフォルニア州西部の商工業都市。サンフランシスコの住宅衛星都市大陸横断鉄道の終点として発達。

オークランド

  1. ( Auckland ) ニュージーランド北島北部の港湾都市。一八六五年まで首都。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オークランド」の意味・わかりやすい解説

オークランド(アメリカ合衆国)
おーくらんど
Oakland

アメリカ合衆国、カリフォルニア州西部、サンフランシスコ湾に臨む港湾・工業都市。人口39万9484(2000)。サザン・パシフィック、ウェスタン・パシフィックおよびサンタ・フェ各鉄道の西のターミナルにあたる。対岸のサンフランシスコとは、ベイ・ブリッジ(1936開通)およびBART(バート)とよばれる地下鉄で連絡する。オークランド港はコンテナ輸送が盛んで(全米第2位)、港の周辺には造船・修理工場をはじめとする企業が集中している。経済的重要性の高い食品工業や、化学、ガラス、機械工業のほか、輸送用機器、ディーゼルエンジン、アルミ製品、缶詰などの製造業が盛ん。

 19世紀なかばに町が創設され、フェリー、鉄道の開通により発展した。近隣の町の合併に伴って、1860年から1900年までに43倍の人口増をみた。1906年のサンフランシスコ大地震後、さらに人口が流入した。第二次世界大戦中は軍需産業が栄えたが、戦後は人口減少が目だっている。市域には美しく整備された公園が多く、とくにメリット湖公園には植物園、野鳥保護区、自然科学センター、子供のためのおとぎの国などの施設がある。市域には博物館美術館、文化センターやスポーツ施設も多い。ミルズ・カレッジ、カリフォルニア美術工芸大学などの所在地でもある。

[作野和世]


オークランド(ニュージーランド)
おーくらんど
Auckland

ニュージーランド北島北部、同国最大の商工業都市。ハウラキ湾の湾奥に位置し、溺(おぼ)れ谷のワイテマタ港とマヌカウ港に挟まれた地峡部に市街地が広がり、多数の火山錐(すい)(スコリア)が散在している。気温は西岸海洋性で、年平均気温15.0℃、年較差8.6℃、年降水量1247ミリメートルで温暖である。人口36万7734、衛星都市を含めた大都市圏の人口は107万4507(2001)。1960年代から市街地の再開発と郊外地域の都市化が進み、北郊のタケプナ、南郊のマヌカウの発展が著しい。北岸へ通じる橋オークランド・ハーバーブリッジの拡幅は、その一役を担った。20世紀に入って北島の酪農の発展とともに市も発展し、第二次世界大戦後、工業化が進み、缶詰、機械、繊維、ゴム、セメントなど、あらゆる工業が衛星都市に立地している。コンテナ埠頭(ふとう)も完備したこの国第一の貿易港で、商業、金融の最大の中心地でもある。ウェリントンと特急列車で結ばれ、南郊マンゲレの国際空港へは日本航空の定期便も乗り入れている。南太平洋の陸海空の交通の要衝で、ワイテマタ港北岸のデボンポートには鎮守府が置かれている。1840年、初代総督ウィリアム・ホブソンにより政庁が置かれ、65年まで首都であった。1871年に市制施行。市名はホブソンの後継者オークランド公にちなむ。オークランド大学(1929創立)、戦争記念博物館、美術館など文教の中心でもある。

[浅黄谷剛寛]

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改訂新版 世界大百科事典 「オークランド」の意味・わかりやすい解説

オークランド
Auckland

ニュージーランド最大の都市。人口124万(2005)。北島北部,ノースランド半島の基部にあり,中心部はワイテマタ湾とマヌカウ湾にはさまれた狭い地峡部(幅13km)に位置する。両湾とも港湾として利用される。ワイテマタ湾にはオークランド・ハーバー・ブリッジ(長さ約1km,1959建設,69拡張)がかかり,ヨットレースで知られる。平均気温は最暖月(1,2月)19.2℃,最寒月(7月)10.6℃。年降水量は1268mm。オークランド市をはじめ北のタカプナ市,南のパパトエトエ市,マヌカウ市など22の地方自治体に分かれている。マオリ族の人口が多く,太平洋諸島出身者を含めて1都市のポリネシア系住民の人口としては世界最大。この国第1の工業都市で,都心から約30km南のグレンブルックにある鉄鋼業(1969開始)をはじめ各種の工業が発達。国際空港があり,東京直行便も開設された。港はコンテナー・ターミナルを持ち,この国第1の貿易港で,輸出額の約1/4,輸入額の約1/2を占める。中心部にはオークランド大学(1882創立),マオリ族関係の展示のある戦争博物館(1929開設)などがある。また市内にいくつかの死火山があり見晴台になっている。1840年ホブソン総督がマオリ族に対する戦略的位置に着目して建設し,65年まで首都,71年市制。市名はインド総督オークランド伯に由来する。
執筆者:


オークランド
Oakland

アメリカ合衆国カリフォルニア州中西部,サンフランシスコ湾東岸の工業・港湾都市。人口39万5274(2005)。1851年にサンフランシスコとの間にフェリー運航が開始され,その後,大陸横断鉄道の到来とともに栄え,さらに1906年のサンフランシスコ大地震を契機に著しい人口増加がみられた。第2次大戦中には軍需産業により活況を呈し,戦後,人口は減少ぎみであるが,完全に都市化した湾東地域の中心都市である。機械,金属,化学,食品加工などの工業が立地。国際空港や,近代的なコンテナー基地を中心とするカリフォルニア有数の海港をもつ。対岸のサンフランシスコとは,ベイ・ブリッジと湾岸高速電車(BART)で結ばれる。市名はオークの林に由来する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オークランド」の意味・わかりやすい解説

オークランド
Oakland

アメリカ合衆国,カリフォルニア州中部のサンフランシスコ湾東岸の都市。 1820年最初の渡船場が開かれ,54年サザン・パシフィック鉄道が敷設された。 69年大陸横断鉄道の終点に選ばれ,港もつくった。 1906年のサンフランシスコ大地震では難民が殺到した。早くから商工業が発展。オークランド港は年間 400万tの荷が積卸しされる。石油精製,自動車工業,その他の工業が発達している。市内には,塩湖のメリット湖がある。サンフランシスコとの間は長さ 13.2kmの橋ベイブリッジ (1936) で結ばれ,サンノゼとともに人口 630万近い巨大都市圏を形成。 1989年 10月の地震で大きな被害を受けた。国際空港,ミルズ・カレッジ (1852創立) ,カリフォルニア芸術・工芸カレッジなどがある。人口 39万724(2010)。

オークランド
Auckland

ニュージーランド,ノース島北部,オークランド地方の都市。大都市圏としては同国最大。ノースランドの南部,ワイテマタ湾とマヌカウ湾にはさまれ,火山地形によって特徴づけられた地峡部に位置。 1840年に建設され,65年まで首都であった。農牧地帯を後背地とした商業貿易中心都市,同国第1の工業・港湾都市で,港はワイテマタ湾,国際空港はマヌカウ湾岸にあり,湾の南岸の中心部を中心に南北に住宅地,工場地区,商業地区が広がる。石油精製,金属,食品,機械,衣料品,印刷などの工業が集中し,南郊のグレンブルックには大規模な鉄鋼工場がある。オークランド大学,戦争博物館,図書館,美術館などがあり,火山地形による複雑な風光と公園によって独特の都市景観を形成。人口 14万 9000 (1991推計) 。

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百科事典マイペディア 「オークランド」の意味・わかりやすい解説

オークランド(ニュージーランド)【オークランド】

ニュージーランド北島北部,半島地峡部にあり,ハウラキ湾に臨む港湾都市。マオリ人の人口が多く,約6万人。同国第1の商工業都市。1840年創設,1865年まで首都。酪農地域の中心で酪製品の集散地。製糖,造船,機械,製薬などの工業が行われる。空港,大学がある。42万8300人(2006)。

オークランド(アメリカ)【オークランド】

米国,カリフォルニア州の港湾都市。1850年創設。サンフランシスコ湾東岸にあり,対岸のサンフランシスコとベイ・ブリッジ(全長8700m),地下鉄で結ばれる。機械・缶詰・造船工業が行われる。空港がある。大陸横断鉄道の終点。39万5341人(2012)。

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世界大百科事典(旧版)内のオークランドの言及

【オークランド[諸島]】より

…面積612km2。主島はオークランド島(面積464km2)。1806年にイギリス捕鯨船が発見,52年まで捕鯨拠点であった。…

※「オークランド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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