翻訳|aura
人体から発する霊的な放射体。風,香気,輝きなどを意味するラテン語アウラに由来する。数cmから1m近くの厚みで体を取り巻く光の雲のようなものとされ,通常は超能力者にしか見えないといわれる。科学面ではキルリアン写真やライヒのオルゴン・エネルギーとの関連から,また宗教面では聖人の背光やアストラル体Astral body(物質としての人体を包む霊的肉体)を解明する鍵として研究されている。オーラについての科学的実験はキルナーWalter John Kilner(1847-1920)に始まり,1/8インチ(約0.3cm)離れた2枚のガラス板の間に感光染料ジシアニンのアルコール溶液を満たした〈ジシアニン・スクリーン〉が考案された。キルナーによれば,オーラをこのスクリーンに通すと可視状態となり,人体を直接包む黒い影のような部分〈エーテル複体〉,およびその上に広がる〈内オーラ〉〈外オーラ〉の3層が識別できたという。オーラの色彩と強度は個人の健康,性格,精神力に応じて変化し,聖人では濃い青紫色,キリストのような神人では星の輝く色,誠実な人間では緑から青,利己的な人間では灰色を呈するとされる。他方オーラに関するオカルティズムからの考察は古い伝統を持ち,パラケルススも〈人体の外へあふれだした生命力〉と呼んでその霊的機能を詳述した。また近代神智学はこれを〈高次の自我〉への発展段階と結びつけ,霊能発達の目安や性格分析の素材とした。まだ科学的に立証された現象ではないが,最近ではオーラの厚さや色彩による健康診断までが世間に流布している。
→アウラ
執筆者:荒俣 宏
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…尿を失禁したり,舌をかんだりすることがある。数日ないし数時間前に頭重やいらいらがあるのを前駆期といい,発作の数秒前から頭痛やめまいがあったり,きらきらする光点をみたりするのを前兆auraという。しかし,この前兆の本態は部分発作なので,前兆のある発作は,部分発作が二次的に全般化した発作ということになる。…
…平面電極と高電圧低電流の電源を用い,主として生物体からの放電現象を写した写真。ある種の超能力者だけに見える光(いわゆるオーラの類)を撮影したものとして喧伝された。例えば植物の葉の一部を切り取って写すともとの葉の形が写る(ファントム・リーフ現象)とか,人間の指から出る光の強さや色が感情に応じて変わるなどともいわれる。…
※「オーラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新