精選版 日本国語大辞典 「お山」の意味・読み・例文・類語
おやま【お山・女形】
お山の語誌
( 1 )語源について、江戸の人形遣いの名人、小山次郎三郎が巧みに使った女の人形を「小山人形」といい、その後、女の人形を使う人形遣いを「おやま…」というようになり、それが歌舞伎の世界に移って「女形」のことを「おやま」といい、美女や遊女の称にも用いるようになったという説がある。
( 2 )「随筆・嬉遊笑覧‐六」によると、上方には人形遣いや歌舞伎に先立ってもともと遊女を意味する「おやま」という語があったとも考えられる。あるいは、遊女をさす「やましゅう(山衆・山州)」に、接頭語「お」を付けて「しゅう」を略したものか。遊女の意味では上方でのみ用いられる。