カイザイク(読み)かいざいく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カイザイク」の意味・わかりやすい解説

カイザイク
かいざいく / 貝細工
[学] Ammobium alatum R.Br.

キク科(APG分類:キク科)の耐冬性多年草であるが、一般には一年草として扱う。オーストラリア原産。草丈80センチメートル、上部で分枝し、茎には翼を備えているのが特色である。茎葉は小さいが根出葉は大きく披針(ひしん)形。全株綿毛に覆われる。夏、分枝した茎頂に径2.5~5センチメートルの頭状花をつける。半球形の総包葉は真珠光沢のある白色で、花弁のようにみえる。この総包葉は株が枯れても残り、美しい貝殻状をなすのでカイザイクの名がついた。なかの花はすべて筒状をなし、黄色であるがのちに黒色を帯びる。栽培は非常に容易で春または秋に種子を播(ま)く。利用はドライフラワーがもっとも適している。本種は真正のカイザイクで、一般にカイザイクとよんでいるのは同じキク科のムギワラギクである。

[山口美智子 2022年2月18日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カイザイク」の意味・わかりやすい解説

カイザイク(貝細工)
カイザイク
Ammobium alatum; winged everlasting

キク科の多年草で,オーストラリア西部原産。高さ 60~80cmで茎には鰭のような翼がある。頭状花は径1~2.5cmで中心部には黄色の管状花が並び,周辺部に白くて光沢のある総包が取巻く。花全体が乾燥していて,そのままいわゆるドライフラワーとなる。なお,日本の園芸界では本種とは別属のムギワラギク (麦藁菊)をカイザイクまたはアンモビュームの名で呼ぶことも多い。

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